賃貸経営 税理士会機関紙で公開の節税手法
M&A等で買ってきた子会社株式の取得価額が高い場合には、
子会社から配当を受ける代わりに、
子会社にその株式を自己株式として取得させることにより、
受取配当金の益金不算入と譲渡損の計上で、
税務上の損金を多額に計上することも可能である、
との節税手法が東京税理士会の機関紙で紹介された
ことがありましたが、
今回は配当代用自己株取得ではなく、連結納税導入の手口でした。
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M&A等で買ってきた子会社株式の取得価額が高い場合には、
子会社から配当を受ける代わりに、
子会社にその株式を自己株式として取得させることにより、
受取配当金の益金不算入と譲渡損の計上で、
税務上の損金を多額に計上することも可能である、
との節税手法が東京税理士会の機関紙で紹介された
ことがありましたが、
今回は配当代用自己株取得ではなく、連結納税導入の手口でした。
こういう手法の中で、
特に親会社が子会社に自己株を買い取らせるということについて、
節税以外にその行為選択の理由がないとすると、
行為計算否認規定が適用される余地大とするのが常識です。
情報によると、これら類似の隠れた節税手法は他にもありそうで、
IBMスキームは否認しやすい事例だったようです。
多々あったであろうこの手の節税手法を封ずるために、
今年の税制改正で、完全支配関係にある内国法人の
株式を発行法人に対して譲渡した時には、
みなし配当の額は生じ得るが、譲渡損益はないこととされました。
改正税法の適用は10月1日以後です。
子ども手当支給法、高校授業料無償化法が成立しました。
子ども手当と就学支援金については非課税所得とされ、
譲渡・差押も禁止です。
非課税の趣旨は、
公共の資金を交付しておいて他方で所得課税で税金として
回収するのでは交付の意味が薄れるということに
あります。
差押さえ禁止も、滞納税金の回収に充ててしまうような
ことのないように、との趣旨です。
同じような差押さえ禁止債権としては、
児童手当や年金や生活保護費などがあります。
ところで、差押さえ禁止債権の児童手当13万円が銀行口座に
振り込まれた9分後に県税事務所がこれを差押さえ、
全部没収してしまったという鳥取県の事件が
平成21年6月にありました。
また、千歳市では年金への差押さえ事件が起きています。
確かに、最高裁平成10年2月10日判決で、
差押禁止債権が受給者の預金口座に振り込まれて、
預金債権となると差押禁止債権としての属性は消滅してしまうので、
従って預金に対する差押えは認められることになる、
としています。
国会でも取り上げられている鳥取県の事件は訴訟になっており、
当時の財務大臣の与謝野さんも、児童手当はちゃんと
児童の養育のために使うものであるから、
差し押さえてはならない、児童の養育のために使えるように
してやるのが本来の筋だと、国会で答弁しておりました。
今年の国会でも、当時の菅財務大臣が、
「現金で受け取ればそれは差し押さえの対象になら
なかったんでしょうけれども、実質上、
ほとんど残高のない口座に振り込まれたものまで、
まさにねらい撃ち的に差し押さえるというのは法の趣旨に反する」
と答弁しておりました。
先日に続きですが、
確かに最近は違う判決もでるようになっています。
入金するものは年金だけというような預金口座を
差し押さえることは年金債権を差し押さえていることと
実質的に同じであるから、年金債権への差押禁止効果
は預金口座にも及ぶ、としているものもあります。
平成20年1月の神戸地裁の判決です。
政府は今年度から「中学卒業までの子ども一人当たり
年31万2千円(月額2万6千円)の「子ども手当」を支給すると
発表しています。
22 年度は半額の月額1万3千円支給としていますが、
支給は22年6月及び10月と23年2月に各々の月の前月迄、
その後は6月に2、3 月分が支給される予定です。
子ども手当の月額2万6千円を0歳から15歳まで
受給し続けたとすると468万円になります。
子どもが2人なら936万円、累計額をみると額の
大きさがわかります。
ここで、企業が支給している「家族手当」について考えてみましょう。
会社員に扶養されている配偶者や18歳未満の子
(又は高校生まで)に賃金として家族手当を支給している企業も多く、
子ども手当と家族手当も受けられるとなると、
子どものいない人から見るとかなり手取り額の差が出ると感
じる人もいるかもしれません。
又、この先子ども手当の支給が続くならば財政確保のため
扶養控除や配偶者控除の廃止もありそうです。
企業としては家族手当をどう考えるのがよいのでしょうか。
景気低迷で生産高や労働時間も減り、
手取りの収入が減少している勤労世帯では、
定額の家族手当が給料額の中に占める割合が高まっています。
今後の政治の動きもあり先行きは不透明ですが、
子ども手当の支給が続いて行くのなら、
家族手当は見直しや廃止もあり得るという考え方も
出てくるかもしれません。
もちろん一方では政府の方針に関係なく家族手当は
支給していくという企業もあるでしょう。
各企業の事情や経営者の考え方、社員の反応等
いろいろな事態を考慮して検討する課題となるかもしれません。
消費税の原則課税方式の場合、
課税売上に係る消費税よりも仕入れに係る消費税の
方が多いときは、その差額は還付されます。
また、課税売上割合が95%以上の場合、
仕入れに係る消費税は全額還付されます。
この法律の規定をもとに、賃貸マンション建設に係る
多額の消費税還付を受けるという節税が行われていましたが、
本年の税制改正により封じられました。
免税事業者が課税事業者の適用を選択し、
2年間の強制適用期間中に1取引単位税抜き100万円以上の
固定資産を取得した場合、その取得のあった課税期間を含む3年間は、
引き続き事業者免税点制度を適用できないとされ、
その期間は簡易課税制度の適用も受けられないこととされました
(詳しくは1/13配信の「平成22年度税制改正速報 消費税編」をご覧ください)。
もともと、3年目に平均課税売上割合による調整が行われ、
1年目に還付された消費税の納税が生じるのが法の予定
するところですが、簡易課税制度の選択または3年目に
免税事業者に戻ることにより、その納税を免れていました。
この行為を封じようという趣旨です。
しかし、このことは、本質的な問題ではありません。
消費税は、各取引段階で課税され、
最終的に消費者に転嫁されることを予定しています。
そのため、各段階での税の累積を排除するため、
売上に係る消費税から仕入れに係る消費税を控除して納税する
前段階税額控除法が採用されています。
つまり、消費者に転嫁できないものについては、
対応する仕入税額を還付するのが理にかなっています。
還付しなければ、その事業者が負担することになるか、
価格に上乗せせざるをえないので、
マンション節税は節税ではなく、当然の権利だったとも言えます。
したがって、例えば、輸出取引のように非課税取引をゼロ税率とするか、
軽減税率を適用するかなどで仕入税額を控除・還付できるような制度
に改めるべきでしょう。
政府は、安易な増税論議や税収面のみに囚われるのではなく、
もっと税制の本質的な問題に取り組んでほしいものです。
小規模企業共済法の一部改正
小規模企業共済制度は、個人事業主などが廃業退職した後の、
生活資金を積み立てておく退職金制度です。
これまでは事業主しか加入できなかった共済制度に、
共同経営者として配偶者や後継者などの専従者が
一事業所新たに2名までの加入が認められる改正案が
国会で成立しました。
近年、小規模企業者の7割を占める個人事業主の数は
減少の一途を辿っており、金融危機に伴う経済状況は
一層悪化に向かっています。
個人事業主の数は86年の389万件から99年には306万件、
さらに06年には257万件にまで減少しています。
厳しい経営環境に対し、個人事業主が少しでも安心して
事業に専念でき、事業承継環境整備にもなるような
制度改正が行われました。
加入できる人は常時使用する従業員が20人
(商業とサービス業では5 人)以下の個人事業主または
会社の役員等の方です。
今回の改正で、事業の経営に携わる共同経営者が
新たに加入できるようになり、事業主と一体となって
経営を行っている給与の支払いのある配偶者や
後継者も対象となりました。
家族従業員も将来への安心を確保する
ことで経営基盤強化につながる事でしょう。
掛金は月額1千円から7万円までの範囲内(5百円単位)で
選ぶ事ができ、加入後の増額・減額もできます。
掛金は全額が課税対象所得金額から控除されるので
節税になります。
又、受け取る時は、退職所得控除の対象にもなります
(分割受け取りの時は公的年金等の雑所得扱いとなる)。
受取は、廃業及び老齢(65 歳以上)により給付されます。
但し、小規模企業共済は短期加入で解約するとメリットが
少ないので、加入の際はよく検討する必要があるでしょう。
又、納付した掛金の合計額の範囲内で事業資金貸付制度は
以前からありましたが、
新たに事業承継における資金確保を目的に
「事業承継貸付(金利0.9%)」の創設もされます。
施行期日は公布の日から1年以内に政令で定める日としています。
22年の税制改正で、
相続税の小規模宅地に関して大きな見直しがなされました。
被相続人が事業又は居住の用に供していた宅地等については、
事業又は居住の継続を問わず、
200平方メートルまでにつき50%の減額ができる、
という制度が廃止されました。
ただし例外があります。
いわゆる『家なき子』の相続取得に関してのみは、
居住物件について非居住のままでも、
申告期限まで所有継続であれば、
特定居住用宅地等の特例の適用(減額割合80%)を
容認しつづけています。
一の宅地等について共同相続があった場合には、
その共同相続人のなかに、
配偶者または居住継続相続人がいれば、
その人の相続分割持分がたとえ百万分の1であったとしても、
他の持分者全員に特例適用(減額割合80%)される、
という制度が廃止されました。
改正後は、取得者ごとに適用要件を判定することになり、
おいしい類が及んでいた非居住継続相続人には
特例適用不可となりました。
一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに、
特定居住用宅地の要件に該当する部分とそれ以外の
部分がある場合には、すなわち、
マンションの一部が居住用で他が貸付用その他というように、
わずかの一部でも特定居住用宅地等の要件に該当していれば、
建物全部について特例適用(減額割合80%)される、
という制度が廃止されました。
改正後は、
特例適用部分ごとに按分して軽減割合を計算することになりました。
特定居住用宅地等については、
主として居住の用に供されていた一の宅地等に限ら
れることを明確にしました。
従来は複数の居住用宅地の存在が許容されるような
規定振りであったため、係争が起き、当局が敗
訴の憂き目をみたところでした。
これらの改正は、平成22年4月1日以後に開始する
相続について適用されます。
申告がこれからのものでも、3月以前に相続発生のものは
以前の有利な規定がまだ使えます。
住宅資金贈与の非課税枠拡大
直系尊属(父母、祖父母など)から住宅
取得等資金の贈与を受けた場合の非課税枠
についての22年の改正点を整理します。
適用者は少ないと思いますが、
相続時精算課税選択者に適用されていた、
通常の特別控除2,500万円にさらに住宅資金特別控
除額1,000万円を上積みする制度は昨年末を以て
期限切れとなって廃止されています。
廃止の理由は、役割を終えたからというよりも、
もっと広い対象者への制度に変更したことに拠ります。
A.昨年立法の非課税制度は生きている
21年1月1日から平成22年12月31日
までの間の住宅取得資金贈与の非課税枠を500万円と
する新設立法が平成21年6月26日になされましたが、
この法律は今でもそのまま生きています。
この制度には、
資金受贈者についての要件として年初で満20才以上の者
としているだけで、所得制限はありませんでした。
B.昨年立法の非課税制度に対する変更
上記の非課税枠500 万円の制度につき、
昨年中すでに適用を受けている人に対して、
平成21~22 年中の累積贈与限度額を1,500万円と
設定し直す改正がなされました。
但し、平成22 年における贈与については、
年初で満20 才以上の者との従来要件の外に、
合計所得金額が2,000 万円以下であることとの受贈者制限が
付加されました。
C.新規非課税制度を別途立法
① 平成22~23 年中の贈与 1,500万円
② 平成23 年中のみの贈与 1,000万円
受贈者要件は前記のものと同じで、年初
で満20 才以上、受贈年の合計所得金額が
2,000 円以下、です。
A、B、Cの選択適用関係
昨年中に500 万円非課税制度の適用を受けた人の場合は、
A又はBの選択となります。
Cの選択肢はありません。
追加の受贈は平成22 年中に終わらさなければなりません。
選択の基準は所得制限に抵触するかどうか、です。
昨年の制度の適用を受けてなかった人の
場合には、AとCの選択になります。
BよりもCが確実に有利ですので、
Bの選択肢がないことは不都合ではありません。
ここでも選択の基準は所得制限です。
なお、いずれのケースにおいても、
贈与者の側には特に年齢制限要件はありません。